生命感覚-感動しましょう

シュタイナーの12感覚論を、最初に

学んだのは、16年くらい前

仲正雄さん(ドイツの治療教育家・ライアー奏者)

講座でした。


富山シュタイナー教育芸術の会の

メンバーのみの勉強会の形でした。

昨年秋から今年春まで参加した

アウディオペーデの音楽教育講座でも、
全12回を通して、毎回一コマ、

12感覚論がありました。

 

このとき「聴く道の発見」の数々の

ワークを体験、学びましたが、

これをそれぞれに持ち帰り、

伝えてほしいと言われました。

そのときのことをそのままにお伝えする

ことも難しいのですが、

さらに、いくつか出ている12感覚に

ついての本(『人智学講座 魂の扉・十二感覚』

アルバート・ズスマン著など)も参考にして、

できるだけ実際の遊びに使えそうなこと

また、理解を深めるために役に立ちそう

なことからお伝えしたいとおもいます。

 

 

生命感覚

生命感覚というと、どんなものを想像されますか?

一つには、自律神経、つまり交感神経と

副交感神経のことと言ってしまって

よさそうなのですが。

喉の渇きや空腹を感じる感覚。

痛みを感じる感覚。

これら、全ては

ある種の警告を発信していますね。

それは実際にどこから来るのか?

 

と真摯に問うと、

これは、

ある高次の存在からのサインである

とズスマンは言っています。
(ハイヤーセルフ、天使存在などといいますね。)

警告ですから、

健康なとき、

通常は意識されません。

心臓が脈を打っているのが感じられるのは、

ただ静かに座っているときではなく、

一生懸命走った後だったり、

緊張したりして、どきどきするとき。

それと同じで、

生命感覚は、「不足」を感じるときに成長する。

では、どうしたら、子ども達に、また、私たち
の内なる子どもの
生命感覚を鍛えることができるのでしょう?

一つは、

少し「待つ」時間を与えてあげるのがいいそうです。

赤ちゃんが泣いたり、小さい人がなにか欲したら、

すぐと、応えて欲求を満たしてあげるのではなくて

少し、待たせることも時として必要だと言うのです。
(「赤ちゃんには無く時間も必要だと言う本能的な知識」ズスマン)

もちろん、延々と待たせることをするのではなくて。

リズム、生活のリズムを持たせること。

とりわけ、小さな人には、規則正しい生活のリズム

生涯にわたって大きなギフトになる、と言われます。

幼少期に培われたリズムは、長じて思春期に崩れる
ことがあっても、それが落ち着けば、再び生きてくる。
ということです。

同じ時間に起きて、決まった時間に食事をし、寝る

それだけでもできていると、子ども自身、安心できるため、落ち着いてきます。

仏教でも、そういう修行があります。

起床と3度の食事と就寝の時間を決める。

徳積みになるということです。

それはできてます。

という方はうらやましいですね。

うちは全然そこらへんはできてないので。

というか、子どもが小さいときはわたしは出来る範囲で頑張りました。

わたしの夫さん、しばしば登場しますが、

彼は一日が26時間というリズムの人だと思っていないと

とても一緒にやっていけない、そんな人でしたから。

研究室に泊り込んで、3日に一回くらいしかかえって来ないのが
通常だったので。せいかつのリズム?え?
という感じでしたので。

なので、できる範囲で!

大事にすべきは何か、それはその時どきで違うと思いますし、

意思があっても、思うようにならないことのほうが多いでしょうから。

自律神経を整えるために生活のリズムを
整え、適度な運動をし、楽しいことを
考える、ということはとても常識的に
なってきていますから、だれでもが
できるといいなと思います。

 

わたしたち子どもの頃

どこの家でも
同じくらいの時間に夕食の準備がされ
遅くまで遊んでいると叱られたり、
お風呂にいつまでも入らないなどという
ことが不可能な時代でした。

物質的なものの制約がだんだんと無くなり、
今は家で食事の用意をせずとも、コンビニ
に行けばお茶から何から売っている。

アマゾンで買い物をすれば、すぐ翌日には
届く時代。待つことの経験がなかなかでき
ない時代になりました。

自由の代償というのでしょうか。

逆に生活を律することの困難さがありますね。

でも、シュタイナーに少しでも興味があ
ってこれを読んでくださっている方は、

あまりにも当たり前、と感じておられるかも
しれませんね。

いずれにしても、この感覚が起こること自体が
高次の存在からの警告である、ということを
意識して1日過ごすことをしてみませんか?

 

生命感覚2

具合の悪いときほど、この「生きてる」感覚が感じられるわけですが、

まずは基本的な、食事と睡眠をできれば規則正しく摂ること。

さらに、

「待つこと」について少し書きました。

少し待たせること。

さじ加減が難しいですが。

実際、なんでもかんでも、待つことなく、
苦労なく手に入ると、

人生が彩り薄く感じられそうですよね。
(待たせない努力ばかりしてきたわたしは反省しきりです!)
大変な思いをして始めて価値が分かることも
あります。
若いときの苦労は買ってでもしろ、とも言いますね。

自分自身にも時々、待つこと、課してもいい
のかな、なんてちょっと思いました。

さて、物語についてお話しする前に、

この「待つ」ことに関連して、提案です。

もし余裕があって、

楽しくできるなら

です。

食事の前や眠る前、朝などに
「祈りの時間」を持つこと

(もちろん、毎日してますよ~という方は、
飛ばして、末尾へどうぞ!)

大人であるご自身のために

また、9歳以下のお子さんのためにも
とてもよいでしょう。

10歳以上(その子によります)
になると、ファンタジーの世界から離れて
自我を発達させ行きますから、用心した方が
いいですね。

思春期の子どもたちは、必要に応じて
自分でなにかしらあるかもしれないので、

その世界を壊さないように、触れない方が
いいと思います。

共有できればとても素適ですけれどもね!

10歳以上のお子さんでも、大丈夫そう
と感じられたら、

あるいは、いつでも、

祈りの雰囲気があるところでしたら
可能でしょう。

祈りの言葉を集めた本なども出版されて
います。

あるいは、

音楽をすることが一つの祈りの代わりに
なるかもしれません。

キンダーハープはとてもおすすめですが、

なんでもいいかなと思います。

おりん

ティンシャ

もちろん、歌でも!

食事のための導入の音楽をするよ、

という準備が、こちらにできたら

それだけでもオッケー。

 

感謝

食べることに感謝して、
食べるおうちがあることに感謝して、
一緒に食べられることに感謝して
(もちろん一人でも)

こちらがそういう気持ちでいれば十分でしょう。

お祈りのおすすめは寝る前です。

子守唄のハミングでもいいですね。

大人のあなたもぜひご自身のために

歌ってみてください。

どんな感じがするか、
ぜひフィードバックください!

 

治療教育学校の夕方の過ごし方

特別な魂の保護の必要な子ども達は、

食事の前の音楽の時間、食事前のお祈り、

食事の後に音楽。支度をして就寝。

という
まるで絵に描いた静かな生活を
していると、とても落ち着くのだそうです。
(スイスのシュタイナーの共同体の
 治療教育の学校では全寮制で、 
 週末以外、子ども達は、寮で上記のように
 とても静かに過ごすそうです。日中は、
 シュタイナー学校で治療教育を受けますが、
 カリキュラムは、一般のシュタイナー学校
 と同じなのだそうです)

そんな彼らも、週末家に帰って、リズムが
乱れたり、刺激的なものに触れると
やはり落ち着かなくなってしまうのだそうです。

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ここからやっと今日の本題です。

子どもにも大人にも

 

 

生命感覚を鍛える

のに

益になることがあります。

それは

感動すること

 

 

です。

語り継がれているお話であれば
選ばないと
思います。

手っ取り早いのは、昔話やグリム童話です。

ぜひ、可能であればぜひとも

音読してみてください。

たんたんと、で結構です。

感情を込めるのは、微妙で、

わざとらしく
なるのは絶対に避けたい。

声に出して読むことの力は、やってみて
わかります。とても大きいです。

生命感覚を鍛える。

良質な物語に触れること

感動すること

「わくわく」と「どきどき」と共にいるだけで

人生が彩り豊かになるように感じませんか?

そうやって、楽しむことが、同時に

わたしたちを強くしてくれているのです!

素適ですね!

一度
そういう目で物語を見てみてください!

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